会社のパソコンはどこまで監視されていますか、法律と確かめ方

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会社は、会社のパソコンをモニタリングすることがあります。個人情報保護委員会は、従業者の監督の一環としてビデオやオンラインによるモニタリングを行う場合の留意点として、目的をあらかじめ特定して社内規程等に定め、従業者に明示することなどを挙げています。会社が個人情報をどう使うかについては、個人情報保護法が利用目的の特定や通知、本人による開示の請求を定めています。

このページは一般的な情報で、法律相談ではありません。具体的な事案は弁護士に相談してください。

要点

個人情報保護委員会のQ&Aは、従業者のモニタリングで留意することとして、目的を特定して社内規程等に定め従業者に明示すること、責任者とその権限を定めること、ルールを策定して運用者に徹底すること、ルールどおり行われているか確認することを挙げています。何が見られているかを知るには、社内規程を読み、情報システム担当に聞いてください。

個人情報保護委員会はモニタリングについて何と言っていますか

個人情報保護委員会は、個人情報保護法のガイドラインに関するQ&A(Q5-7)で、従業者に対する監督の一環として、個人データを取り扱う従業者を対象にビデオやオンラインによるモニタリングを行う場合について答えています。次のような点に留意することが考えられる、としています。

  1. モニタリングの目的をあらかじめ特定したうえで、社内規程等に定め、従業者に明示すること。
  2. モニタリングの実施に関する責任者とその権限を定めること。
  3. あらかじめモニタリングの実施に関するルールを策定し、その内容を運用者に徹底すること。
  4. モニタリングがあらかじめ定めたルールに従って適正に行われているか、確認を行うこと。

同じ回答で、モニタリングに関して個人情報の取扱いに係る重要事項等を定めるときは、あらかじめ労働組合等に通知し、必要に応じて協議を行うことが望ましく、定めたときは従業者に周知することが望ましいとしています。

このQ&Aは「従業者の監督」の項目に置かれています。個人情報保護法第24条(従業者の監督)は、個人情報取扱事業者が従業者に個人データを取り扱わせるときは、その安全管理が図られるよう、従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならないと定めています。

個人情報保護法は何を定めていますか

会社がモニタリングで集めた情報が個人情報に当たる場合、個人情報保護法の一般的なルールがかかります。条文から3つ挙げます。

  1. 利用目的の特定(第17条)。 個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的をできる限り特定しなければなりません。
  2. 利用目的の通知又は公表(第21条)。 個人情報を取得した場合は、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに本人に通知し、又は公表しなければなりません。同条第4項には、通知や公表をしなくてよい場合も定められています。
  3. 安全管理措置(第23条)。 取り扱う個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止その他の安全管理のために、必要かつ適切な措置を講じなければなりません。

なお、2026年に個人情報保護法の改正法が成立しており、個人情報保護委員会は関係する政令や規則、ガイドラインなどの整備を進めています。このページの条文は、2026年10月31日時点でe-Gov法令検索に掲載されているものです。

会社のパソコンで何が見られる可能性がありますか

使っている管理ツールによって違います。MicrosoftはIntuneへの登録について、組織に見えるものと見えないものを公表しています。

  • 組織に表示されないもの:通話とWeb閲覧の履歴、電子メールとテキスト メッセージ、連絡先、予定表、パスワード、画像、ユーザー作成ドキュメントの内容。
  • 組織が常に閲覧できる情報:デバイスの所有者、デバイス名、シリアル番号、モデル、製造元、OSとバージョン、IMEI。
  • 企業所有のWindowsデバイスについては、ファイル パスとファイル名、レジストリとイベント ログ エントリ、実行中のプロセスの詳細などを照会できます。

これはIntuneの登録についての一覧です。ほかのツールを使っている会社もあるので、社内規程も確かめてください。

自分のパソコンで確かめるには

まず社内規程を確かめます。個人情報保護委員会のQ&Aは、モニタリングの目的を社内規程等に定めて従業者に明示することを留意点に挙げています。どのツールが入っているかは、情報システム担当に聞きます。自分で確かめられることも2つあります。

  1. Macでは、アップルメニュー >「システム設定」を選び、サイドバーで「一般」をクリックしてから「デバイス管理」をクリックします。Appleによると、リストでプロファイルをダブルクリックすると、その情報を確認できます。構成プロファイルを削除できない場合は、プロファイルを提供した人に協力を求めるよう案内しています。
  2. 勤務先がMicrosoft Intuneを使っている場合は、Intune ポータル サイト アプリまたはWebサイトにサインインし、「デバイスの詳細」で登録済みデバイスの所有権の種類を確認できます。

自分の情報を見せてもらえますか

個人情報保護法第33条により、本人は個人情報取扱事業者に対し、自分が識別される保有個人データの開示を請求できます。請求を受けた事業者は、原則として遅滞なく開示しなければなりません。ただし、本人や第三者の権利利益を害するおそれがある場合や、事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、他の法令に違反することとなる場合は、全部または一部を開示しないことができます。

利用の停止や消去を求められる場合も、第35条に定められています。たとえば、保有個人データを事業者が利用する必要がなくなった場合や、その取扱いにより本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合です。

会社には、第40条で、個人情報の取扱いに関する苦情を適切かつ迅速に処理するよう努めることが求められています。まず社内の窓口に伝え、それでも解決しないときの社外の相談先は同僚にパソコンやスマホを見られたときの相談先にまとめています。

職場の労働問題として相談するには

厚生労働省の総合労働相談コーナーは、いじめ・嫌がらせ、パワハラなどを含むあらゆる分野の労働問題を対象にしていて、労働者と事業主のどちらからの相談も受け付けています。各都道府県労働局や全国の労働基準監督署内など378か所にあり、予約不要で無料です。

よくある質問

会社のパソコンの閲覧履歴は見られていますか

使っているツールによります。Microsoftによると、Intuneに登録しただけでは、通話とWeb閲覧の履歴は組織に表示されません。ほかのツールで記録している会社もあるので、社内規程と情報システム担当に確かめてください。

監視されているかどうかを確かめる方法は

Macでは「システム設定」>「一般」>「デバイス管理」で、入っている構成プロファイルを確認できます。Intuneを使っている職場なら、ポータル サイトの「デバイスの詳細」で所有権の種類がわかります。何を記録しているかは、社内規程と情報システム担当に聞くのが確実です。

会社のパソコンに自分でセキュリティソフトを入れてもいいですか

先に情報システム担当に確認します。会社のパソコンは会社のものです。

会社のMacでFailshotを使えますか

勤務先の同意がある場合に限ります。Macは勤務先のもので、そのMacでのモニタリングについてデータ保護に関する法律上の責任を負うのは勤務先です。Failshotの場合、勤務先がFailshotの組織向け規約(Organisation Terms)に同意し、Failshotをオンにする前に、そのノートパソコンを使う全員に知らせていることも必要です。

モニタリングの記録を見せてもらえますか

個人情報保護法第33条により、自分が識別される保有個人データの開示を請求できます。業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合などは、全部または一部を開示しないことができます。具体的な事案は弁護士に相談してください。

出典